まず、この楽譜を見ながら動画を聞いてみてください。
YOASOBIさんの「夜に駆ける」を、私がジャズアレンジして弾いてみたものです。
意識的に「ある技」を使って弾いてみた結果です。
「ある技」とは、ズバリ「9度」です。
9度という技を使うと、大人っぽい上質な響きに変えることができます。
ジャズはもちろん、ジブリ音楽でもよく出てくる9度。
今回はその魅力と、使えるようになるためのトレーニング方法をお伝えします。
ジャズピアニストが呼吸するように使っている「9度」をマスターして、好きな曲を大人っぽくアレンジできるようになりましょう!
もくじ
例えばコードがCの場合、9度にあたる音は「レ(D)」です。
コードが「G7」だったら、9度は「ラ(A)」
コードが「Bb7」だったら、9度は「ド(C)」
コードが「Dm」だったら、9度は「ミ(E)」
つまり9度とは、「オクターブ(8度)+1度上の音」と覚えておけばよいでしょう。
私はジャズアレンジする際に、コードCが出てきたら9度=レ(D)を意識的に鳴らします。
私が考える「9度の魅力」は2つです。
非現実感とも言えます。
例えばコード「C」の構成音は「ド・ミ・ソ」ですが、9度である「レ」は、Cの構成音にない音。つまり「外れた音」です。
外れた音をあえて使うことで、普通とは何かがちがう、ファンタジー感がでます。
これが、ジブリ映画の世界観にピッタリなんですよね。
実は「9度」は、「3度」と同時に使うとぶつかります。
つまり不協和音になるのです。
半音でぶつかったり全音でぶつかったり、とにかく濁った音になります。
この濁りこそ、ほろ苦さです。
お子ちゃまにはわからない、大人の魅力。
試しに、9度の音を抜いて弾いてみてください。ちょっと味気ない、ストレートすぎるサウンドになります。
その方法とはずばり「ナウシカ型アルペジオ」トレーニングです。
この譜面は、ジブリ映画「風の谷のナウシカ」のイントロのピアノメロディです。
「Cm」というコードのなかで、左手は「ド・ソ・レ・ミ♭・シ♭」と弾いています。
そう、この「レ」の音が、9度です。
しかもこの場合、直後の「ミ♭」とぶつかる音なので、ほろ苦さも抜群。
ナウシカのこのフレーズは、9度の魅力を象徴しているかのようなお宝フレーズです。
この形を、いろんなコードで弾けるようになりましょう。
たとえばこんな練習をします。
・9度は、ジャズやジブリでよくでてくるオシャレ音
・ファンタジー感とほろ苦さがある
・おすすめトレーニング方法は「ナウシカ型アルペジオ練」
オシャレアイテム「9度」を使いこなして、オトナにアレンジしていきましょう♪