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ゆったりジャズピアノアレンジの参考にしたピアニスト5名

寝る前や、日常のリラックスタイム、心を落ち着けたいときにゆったりと聴いて欲しいジャズピアノ。
そういうコンセプトで私が弾いている「ピアノ麻酔」シリーズ。

このゆったりジャズアレンジスタイルは、私がゼロから生み出したわけではありません

たくさんのピアニストの演奏を聴きまくって、いいところを盗み、組み合わせていくことでこのスタイルを作ることができました。

今回は「ピアノ麻酔」の材料である、私が参考にしてきたピアニスト5人を紹介します。

ジャズピアノで自由に好きな曲をアレンジしてみたい、という方。
ぜひたくさん聴いて、気に入った部分をマネしてみましょう。

ラーシュ・ヤンソン(Lars Jansson)

スウェーデンのジャズピアニスト。歯医者になろうと思ったが音楽がやっぱり好きだーっていってピアニストになった彼。

魅力はなんと言ってもメロディの美しさ。すっきりとした甘み。北欧の圧倒的幸福感。
聴く人を「あの頃」にタイムスリップさせる、ほっこり心温まる旋律。
暖炉のある部屋で甘めのココアを飲みながらまったり聴いていたい音です。

私が参考にしたポイントは、彼の右手のメロディによく出てくる「装飾音符」です。
決して多すぎず、華美すぎない装飾音は、まるでピアノで歌っているかのようで脳がトロけます

藤井風(Fujii Kaze)

その歌声も素晴らしいですが、私が惹きつけられたのは、彼の「作曲・アレンジ術」

甘く芯のあるメロディを支えるのは、ジャズの要素モリモリの芸術的なコード進行。

この「優しさ」という曲のイントロ4小節の中だけでも、△7th、♭9th、裏コード、augなど、ジャズのアレンジテクニックが神配置されています。

中でも、裏コードの使い方がハンパなく美しいんですよ。

おしゃれなスパイス的役割をもつ「裏コード」を、絶妙なタイミングで入れてきます。
それを分析しているうちに、”裏コードの王子様”に、すっかり心を奪われてしまいました。

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ブログアイキャッチ_裏コード
ピアノのジャズアレンジ技紹介「裏コード」編

キース・ジャレット(Keith Jarrett)

誰もが知ってるジャズピアニストの大スター。

私のだいすきポイントは「やわらかい緊張と緩和」の連続。
半音でぶつかる音や#11th、sus4など「キツい音」のすぐあとに、平和であったかい「解決」が待っている。激辛シビレ系麻婆豆腐のあとに食べるバニラアイスみたいな幸福感。

一番好きなのはこの「ダニーボーイ」ですが、「Jasmine」というアルバムに入ってる曲、全部サイコー。
大切な人と、大切な時間をゆっくり過ごす。そんなときに流したい音楽です。
無人島になにか1つだけ持っていけるとしたらJasmineですね。

Jasmine / Keith Jarrett , Charlie Haden

武部聡志(Takebe Satoshi)

作編曲家であり音楽プロデューサー。

一青窈、今井美樹、華原朋美、JUJU、ゆず、平井堅など錚々たるアーティストをプロデュースしたり、ユーミンのツアーの音楽監督をしたり、ジブリの「コクリコ坂から」の音楽担当をしたりと、色々ものすごい人。

この「木綿のハンカチーフ」のピアノ伴奏では、なんとボーカルの橋本愛さんを途中で泣かせるという罪な男。

原曲のポップな曲調を、こんなにも美しくしっとりと生まれ変わらせるとは。

まるで語り手のようなイントロ、間奏、エンディングを聴いてほしいです。
高音域でキラキラ、低音でどっしりなど、ピアノの魅力を知り尽くした演奏は、涙を誘います。

ビル・エヴァンス(Bill Evans)

ご存知、ジャズピアノのレジェンド。

彼の魅力は、何層にも積み重なった重厚なアダルト和音の数々。
だけど、あぶらっこくない、不思議とスッキリとした心地よい味わい。
指は10本しかないはずなのに、指14本分くらいの立体的な美サウンド。

私はジャズピアノを初めた7〜8年前くらいに、その美の秘密を知りたくて、寝る間も惜しんで彼の演奏を聴いて楽譜に起こして練習したりしていました。

密度の高い、ジャズがたっぷり詰まった音を出したいときには、彼のピアノを思い出しています。

まとめ

この5人は好きすぎて、いつも繰り返し聴いています。
そうして何度も聴いているうちに、その人のクセやスタイルが見えてきます。
そこまでくれば、自分の脳にその人の音楽が染み込んでいる証拠です。

みなさんの好きなピアニストは誰ですか?

ぜひ、自分の「推し」を何度も聴いてうっとりするだけでなく、どういうクセや特徴があるかを探して見てください。
そうすると、いつか自分の演奏に、彼らのエッセンスが無意識に滲み出てくるでしょう。